患者さんに寄り添った「手づくりの看護」を実践するために、看護師が働きやすい環境を整える

PROFILE

患者さんに寄り添った「手づくりの看護」を実践するために、看護師が働きやすい環境を整える

小西 多恵

総合病院に約10年間勤務した後、看護師からケアマネージャーに転身。約2年間、介護の現場に携わる。2009年、島田総合病院に入職。手術室、産婦人科を経て、2024年より急性期病棟に勤務。現在は病棟師長、教育担当として後進の育成にも取り組んでいる。

一度はケアマネに転身したが、大好きな看護の現場に復帰

私は総合病院の手術室に約10年間勤務した後、退職してケアマネージャーになりました。ケアマネの仕事も楽しかったのですが、もう一度看護師として医療の現場に戻りたいという気持ちが次第に芽生えてきました。そんなとき、島田総合病院で心臓血管外科を立ち上げるという話を聞き、自分の経験を活かしたいと思い、2009年に当院へ入職しました。

現在は、急性期病棟の病棟師長と、看護師の教育担当を務めています。病棟師長としての主な仕事は、所属部署の管理。看護スタッフのシフトの調整や業務改善、他病棟との連携を図るなど、スタッフが働きやすい環境を整えることが、師長の役割です。

3年計画で、長い目で新人看護師の育成にあたる

教育担当の業務としては、主に新人教育に取り組んでいます。当院では、3年計画で新人看護師の育成にあたっています。新人の看護師は最初に2週間の集合研修を受けたあと、各部署に配属されます。配属後はプリセプター(新人看護師を教育・指導する先輩看護師)がつき、マンツーマンで指導とサポートにあたります。半年後、1年後と定期的に、看護実践に必要な知識や技術の習熟度合いをチェックリストを用いながら確認し、本人の成長に応じた育成計画を立てていきます。

私の役割は、各部署の教育担当者と一緒に育成計画を考えること。どのように新人看護師を指導・育成していくか、全体的なプログラムを作っています。また、月に1回、教育担当者会議を行い、新人1人ひとりの状況について情報を共有し、現場で何か問題や課題があれば、その対処法や改善策を検討します。

当院には約90名の看護師が勤務していますが、ここ3年くらい新卒者が入ってきていないのが現状です。実地指導者であるプリセプターはもちろん、私たち看護スタッフみんなが、新人看護師が一人前になるまで安心して仕事に取り組める環境づくりやフォロー、サポートを行うので、未経験者も安心して来ていただきたいですね。

温もりのある看護の実践には、日頃のコミュニケーションが大事

日々の業務を行う上で私が最も心がけているのは、スタッフに積極的に声をかけることです。自分の所属部署はもちろん、他部署のスタッフに対しても、ささいなことであっても挨拶や声かけを行い、コミュニケーションを図るよう努めています。

当院は「手づくりの医療」「真心を大切にする医療」を理念に掲げています。医療に「手づくり」という言葉はそぐわないように感じるかもしれませんが、患者さん1人ひとりに寄り添い、その患者さんに何が必要かを考え、患者さんが求めるケアや、患者さんに適したケアを提供するという意味だと私は理解しています。つまり、決まり切ったマニュアルではない、人の温もりのある手づくりの医療や看護を提供するということ。当院は、スタッフは多くはありませんが、スタッフみんなで助け合いながら頑張ろうという思いが強い病院だと感じます。

病院の温かい雰囲気を保つ意味でも、各部署の連携やスタッフのチームワークを円滑に進める上でも、気軽に声をかけやすいように日頃からコミュニケーションを深めておくことは大事だと思っています。

各部署の連携については、毎月1回、看護師や臨床工学技士、薬剤師なども参加する病棟会議を開いています。ここでは病院の方針や重点事項について話し合うほか、変更事項など情報共有を行っています。部署間の交流イベントとして、コロナ禍が始まる前までは、夏の納涼会と12月の忘年会、年度末に決算報告を兼ねた食事会が、全体行事として開催されていました。インフルエンザの流行などもあり、全体行事は見送りが続いていますが、部署単位での親睦会や忘年会などは行われています。全体行事についても、状況を見ながら再開していきたいと考えています。

看護師が生き生きとやりがいを持って働ける環境を整える

看護師が肉体的にも精神的にも余裕のある状態であることが、よりよい看護の提供につながります。ですから私は、働くスタッフみんなが楽しく笑顔を保てるような病院でありたいと思っています。看護が楽しい、好きだという気持ちで働けるように、スタッフの人員確保やライフステージに応じた多様な働き方を実現していくことが、私たちの課題です。産休・育休については、すでに多くの看護師が取得して仕事に復帰していますが、今後は介護休業などの制度も充実させ、長く安心して働ける職場環境を整えていきたいと考えています。

当院は、地域の基幹病院として、患者さんに温かな医療と看護の提供を心がけています。看護部長をはじめ、私たち責任者は、看護師の皆さんが生き生きとやりがいを持って働ける環境づくりを目指しています。看護師として、また社会人としての第一歩を、アットホームな環境の当院でスタートしてみませんか?皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。

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